イースターの風変わりな卵
4月、新しい季節の始まりだ。
春、道端には色彩豊かな花が咲き乱れる。
オランダでは、チューリップをはじめ、全てがカラフルに包まれる。
今日の空は、冬の名残を残した灰色だ。
しかし、時期に夏に向けて青空も増えてくるに違いない。
日本では、綺麗なピンクの桜の時期だ。
フェイスブックでは、運河の頭上へ枝を伸ばす桜の木。
そして、ハラハラと舞い散る桜の美しい写真が流れている。
オランダで過ごして、戦って何を学んだのだろう。
今日は、自分の学びを、自らのために振り返ってみたい。
このイースター休暇までに、大きな変化があったからだ。
- 病床で思うこと
- 派手なモチベーションの裏事情
- あなたの「他人」
1. 病床で思うこと
3月中旬に身体を壊し、一週間ほど寝込んだ。
これは、自分の願いを整理する時間を与えてくれた。
このベッド期間の前後で、生きることへの向き合い方は大きく変わった。
発熱38.9℃、頭痛、下痢。
ベッドに寝込んで、初めて日本が恋しくなった。
永谷園のお吸い物の素をありったけ使った。
醤油(残念ながら日本の味ではない)を使って卵焼き。
おかゆを作ると、しらすが欲しいな。
ポテトはいっぱいある。
そうか、肉じゃがではなく「煮っころがし」だっけ。
家族や人生、これまで出会った人のことを考えた。
父にラインもした。
ベッドから、同じホワイトの天井を見つめた。
今までの自分の価値観と向きあった。
2. 派手なモチベーションの裏事情
"Stand out"することへの興味がなくなった。
なくなったというと言い過ぎかもしれない。
しかし、圧倒的に、欲求がなくなった。
ご存知の通り、”stand out”は目立つといった意味だ。
形容詞では"outstanding"がよく使われる。
これは自分の中で「自分と他人の関係性」が変わったのだと思う。
Stand outするためには、Outしなければならない。
すなわち常に、他人との背比べ、なのだ。
比べる他人(の集団)があるから、初めてoutすることができる。
Outするためには、他と比較しなければならないのだ。
むしろ、こんな描写が近い。
比べて、、、どうするの?
他人と背比べてして、嬉しいの?
それがあなたの人生の望みなの?
冷静に、生きることの有り難さに感謝する。
3. あなたの「他人」
僕の友達の中には「日本国外で働きたい」という友達がいる。
一定数というか少なくない人数だ。
病気で寝込む前まで、筆者もだいぶそのパッションにとらわれていた。
英語で、International colleaguesとworkするって、super coolじゃね?といった具合だ。
でも、今思うと"日本国外で働くこと=cool”は自明ではない。
なぜcoolなの?
それって、clearly(明らかに) outstandingだったから?
客観的に、事実が違うんだもんね。
- 海外に住んでいる。
- 海外の会社に籍がある。
- 同僚と英語で話す。etc.
でも、その違いって、誰と違うの?
誰と比べているの?
違うから嬉しいの?
すでに僕の友達はカオスすぎる。
例えば、Misaki と僕はオランダ語でメッセージをしている。
オランダ語で誤解が生じた時は、英語にスイッチする。
彼女は日本人だ。
日本国パスポートを所持している。
両親は日本人だ。
そして、育ちはオランダだ。
オランダ社会のなかで、キャリアを組み上げようと頑張っている21才。
他にも、Amirくん。
彼は留学先での学友で、学生寮も近くだった。
沼津の高校に通った後に、こちらの大学へ正規入学した。
メッセージは英語ですることが多いけど、会うと日本語で話すことが多いかな。
ホームページ作成の個人事業もしている。
メッセージはシンプルだ。
このような多様なバックグラウンドをもつ覇気ある若者と、日本で出会うことはあるだろうか。
もちろん、あり得るだろう。
しかし、このオランダという雨と雲に閉ざされた土地での出会いは、彼らの姿をより印象的にする。
あなたは何を望むの?
そのシンプルで、実に奥深いクエスチョン。
違うことが嬉しい気分なら、outstanding。
そうでないなら、それもまた一興。