放浪人の物好き日記

生きる。導かれるままに生きる。

月夜の山登り@9合目リフト前

Hallo, goedmiddag.

 

今日のテーマは、志と目標だ。

 

人生、山あり谷あり。

一つの目標・山を越えると、予想外な光景が広がる。

 

特に、高い高い山を越えようとするとき。

そんな時は、山を越えた先に何があるのか。

周りの景色も、その景色をみた自分の心の変化も検討がつけられない。

むしろそんな山だからこそ登りたい、という武者もいる。

 

まず一つ。

山を越えると、目標がなくなる。

「あれっ」となる。

フランス人の言う所の「オーララー」か。

 

こんな場面を想像してもらいたい。

ーーー

あなたは、山の9合目まで登りきった。

ここから先は、山頂までリフトがある。

リフトは調整中だ。

 

歩いて、山頂まで行くことはできない。

切り立つ絶壁と、この季節特有の暴風。

 

あなたにできることは、ただ一つ。

リフトの修理をしているおじさんたちに進捗をきく。

工具を運んだり、できるお手伝いをする。

あなたがリフトに無事乗れる確率は8割。

 

リフトは数週間で見通しがたつ。

そして、ただ時の流れに身を任せる。

 

さあ、情景が思い浮かんだだろうか。

 

あなたなら、何を思うだろう。

 

これまでに登ってきた山の数々。

そして、その新しい山頂を目の前にしている。

山頂の奥に広がる雲海がのぞいている。

 

これから先は、一つの具体的な景色の提案である。

 

まず、あなたは振り返る。

あなたのいる山は高い。

これまで登ってきた山は、すでに海の向こう。

とても離れている。

それでも、くっきりとあなたの目には見える。

 

これまでの山々での景色が蘇る。

山小屋で一緒にシチュー食べた仲間を思う。

ふと、手紙を書きたくなる。

 

 

次に、この山登りで起こったことを思う。

様々な人が、あなたの山登りに登場した。

へんてこりんな人ばかりだった。

彼らには、彼らの人生があって。

それでも、あなたの山登りに関わってきた。

 

 

最後に、これから起こるかもしれないことを思う。

山頂はすぐそこ。

山頂からの景色は、ちょっと想像できる。

そうだ、そこへ行くことになる。

 

 

9合目に到着してから、一週間が過ぎた。

修理おじさんのお手伝い歴、一週間。

 

 

あなたは、すでに山の向こう側を考える。

山頂の土を踏むような気がする。

どちらにせよ、こんな「山頂目の前」だ。

山頂の土を踏むことにこだわりはない。

形式的な賞賛よりも、欲しいものがあるのだ。

この山には感謝をしている。

 

あなたは、とても貪欲だ。

あなたは、だんだんと見慣れて行く光景に、判断力を取り戻す。

そして、生来よりゆったりした時間を過ごす。

そんな、ささやかな平和のなかで、あなたの人生を想う。

振り返り、見つめ、向き合う。

 

あなたは、これまでに乗り越えてきた目標をみる。

そして、目標の先にこそ、その人の生き様がある。

目標を通して奏でられる、その人のテーマがある。

 

それを、ある人は志と呼び、ある人は夢と呼んだ。

それは、戦争の時代には「平和」と名前を変える。

 

あなた個人の志。

あなたは、次の山の候補を頭の片隅に置く。

そして、今日もリフトの調整を待っている。

 

目標は手段。

あなたは、目標の先を想う。

 

ーーー

物語はここまで。

 

これは、一つの例え話。

何か、あなたの人生に交差する。

そして、新しい気づきをもたらす。

 

そんなことを願います。