沼津に響く、”店長さん”
ここ数日、静岡県沼津に滞在している。
夕飯に駅前の「喜心」というお店に入った時のこと。
店内の空気がどこか落ち着く。
暗めの内装に、木製のテーブル。
間接照明のライトを下ろし、こだわりが透ける。
カウンター席のすぐ先には「一刻者」という見慣れない焼酎のボトルが並んでいる。
隣には大きく《魔》のラベルに、”Thank you”と手書きのポップ。
シールに書かれたカラフルな文字が目立つ。
今日はご飯を食べに来たのだ。
牛スジ定食が美味しい。
もうこの雰囲気で食べたら、当然、美味しいよね。
芋焼酎「一刻者《赤》」のお湯割りを頼んでみる。
ふんわりとした響きが口の中に広がる。
お店にはお客さんが4組と、黒いTシャツの20歳ぐらいのお姉さんが二人。
注文を取ってきた様子で奥へ声をかける。
『店長さん、たまごやきー、おねがいしますー』
どこか見覚えのある光景。
温もりを感じながら、沼津の暗闇へと店を出た。